夏のボーナスが過去最高の増加率となる見込みだそうですが、コロナ禍で悪化した経済がもうそれほど回復しているのでしょうか?
コロナ禍における巣ごもり需要を背景に売り上げを伸ばした「大手企業」や、円安により海外での業績が好調な「大手企業」が、今夏のボーナス増を牽引したと思います。増加に転じるのは4年ぶりとのことです。
「夏のボーナス増加」についてさらに知りたい方は、以下をご参照ください。
巣ごもり需要と円安・原油高
2020年頃から始まったコロナ禍の影響で、世界経済は大打撃を受けました。しかしながら、コロナ禍の外出制限に伴う巣ごもり需要を受けて、売り上げを大きく伸ばしていた業種もあります。例えば、食品のデリバリーサービス、ネット通販、ゲーム、スーパーマーケット、運送、海運等は、コロナ禍においても業績を伸ばした業種です。
また、2022年に入ったころから円安および原油高が進み、海外で上げた利益が企業の業績回復に大きく貢献しています。自動車関連、石油元売り、エネルギー関連などの業種で過去最高益を出した会社が多くありました。
今後の見通し
2022年5月末頃からコロナウイルスの新規感染者数が減少傾向にあり、2022年1月から始まった「第6波」は収束しつつあります。こうなると、巣ごもり需要からの反動で、これまで業績が伸びた企業の売り上げが鈍化・減少に転じる可能性があります。
逆に、コロナ禍で業績不振に陥った業種、例えば、鉄道、航空、宿泊、外食、観光、レジャーなどは、今後業績の改善が期待できます。特に、外国人の新規入国制限の緩和および円安が追い風となり、外国人観光客を呼び込むことができれば、業績も飛躍的に向上するかもしれません。
ただし、コロナウイルスの脅威が完全になくなったわけではないので、まだまだ楽観視はできません。外国人の新規入国制限の緩和をきっかけに、再び変異ウイルスの感染が広がって「第7波」が訪れるかもしれません。外出時のマスク着用や手洗い・うがいの徹底、「3密」の回避など、感染予防の継続が求められます。